マイクロバブルを用いた環境配慮型洗浄技術

摘要

地球温暖化の進行が日々報告される中，温暖化防止の取り組みを加速することが強く求められている。 エレクトロニクス分野の洗浄工程における大量の溶剤消費は，地球温暖化はもちろん，大気汚染，水質汚濁などの観点からも大きな課題である。 その抜本的な解決を目的として，マイクロバブルといわれる直径0.1mm以下の微細な気泡を用いた溶剤レスの洗浄技術を開発し，世界で初めて実用化した。 エレクトロニクス分野の製造工程での大量·短時間処理に適応するため，環境にやさしく安全な気泡合一防止剤の開発によって高密度マイクロバブルを実現，その多大な表面積に基づく高い洗浄能力と分離能力を特長とする洗浄方法である。この洗浄方法はすでに三菱電機の複数工場で使用されており，大幅な環境負荷の低減，1けた以上のランニングコスト削減，安定な洗浄品質の実現など大きな成果を得ている。 将来的にはスタンダードな環境配慮型洗浄方法として全業界規模で広がり，地球環境に対する大いなる貢献が強く期待される。