三菱電機トータルセキュリティソリューションの推進

摘要

1990年代半ばから急速に普及したインターネットにより，組織を越えて流通及び共有される情報の量が飛躍的に増加し，その反面，機密情報の漏洩（ろうえい）が深刻な問題となってきた。 また，侵入·盗難事件，商店街·学校などでの犯罪も年々増加しており，特に米国での同時多発テロ事件以降急激にセキュリティシステムへのニーズが高まっている。 これらに対応した侵入·不審者監視システムへの取り組みも重安な課題となっている。 情報漏洩の防止や侵入·盗難などのセキュリティリスクへの対応には，出入口からの侵入防止，ネットワークからの侵入防止，及び，内部·関係者による犯罪·不正の防止という3つの側面からの防止策を講じるとともに，特に，情報系においては，設定·操作ミスなどのヒューマンエうーによる被害を最小限に食い止めるための仕組みも考慮すべきである。 これらのセキュリティ対策は，従来個別のシステム導入にとどまっていたが，業務効率を低下させずにセキュリティホールを最小限に押さえ込むためには，体系的な導入が必要である。三菱電機グループでは，このようなセキュリティリスクへの対応を支援するため，従来から取り組んできた情報セキュリティ及び物理セキュリティの各システムを体系化し，新しい時代のトータルなセキュリティソリューションとして提案している。 三菱電機技報2004年4月号ではこのうち情報セキュリティソリューションに焦点を当てた特集として様々な技術を紹介したが，今回の特集では，物理セキュリティソリューションとそのインテグレーションに焦点を当て，最新の技術動向を紹介する。