袋詰めエアミルクの性能と道路路盤材料としての適用性

摘要

このような背景を踏まえて，著者らはジオテキスタイル製の袋の中で固まった材料を，その袋ごとアスファルト舗装の下層路盤に用いる場合の支持基盤としての効用を検討することにした．袋に詰める材料にはセメント，水，起泡剤から成るエアミルク(FCM)を採用した．エアミルクの特長は軽量で流動性が高く，品質にばらつきが少ないことにあり，橋台背面やトンネル坑口の盛土工，擁壁や護岸の裏込め工，地下空洞や不用坑の充填工などでの利用実績が多い．以後，エアミルクを注入した袋材を袋詰めエアミルク(FCM bag)と称する．本論文では，袋詰めエアミルクの曲げ引張抵抗性を調べるために行った曲げ強度試験の結果，弾性係数を推定する目的で屋外で実施した非破壊の支持力調査や逆解析の結果について報告するほか，袋詰めエアミルクを下層路盤に組み入れた舗装断面を，既存の多層弾性構造解析プログラムで演算したときの出力例を示す．