複数き裂の相互作用を考慮したき翠進展シミュレーションによるき裂発生挙動の寿命へ与える影響の検討

摘要

本研究は,半面上に分布する複数のき裂の相互作用を有限要素法により評価し，き裂発生および進展をシミュレートするモデルを用いて、き裂発生数の寿命へ与える影響を考察した．その結果，以下の結論を得ることができた。 （1）荷重制御,ひずみ制御のいずれの条件においても－き裂発生数の増加は破断寿命を短くする方向へ作用する．（2）相互作用を及ぼしあう比較的長いき裂の分布が集中する傾向がある。 （3）き裂発生数の増加による寿命への影響は．き梨の相互作用によるき裂成長速度の加速とき裂合体による有効断面積の減少という2つの作用がある．（4）き裂の相互作用は，寿命の80-90％で顕著になり．これにより破断寿命が短くなる。 （5）破断時の最大き裂長さはき裂発生数にかかわらず大きくぼらつく。 従っそ，寿命を最大き裂長さで評価することはできない。（6）それに対して平面上の全き裂長さの総和はき裂発生数毎のばらつきが少ないことから,破断寿命を推測するパラメータとして有効である。（7）破断時のき裂長さ分布は，き裂多数発生する状態では複合ワイプル分布を示す。