酸化銅触媒を用いた水熱酸化法による有機塩素系汚染水の高度処理

摘要

最近になって、我々の研究グループは銅イオンをドープした酸化タングステンや酸化チタンが難分解性有機塩素化合物のモデル物質である4－クロロフェノール（以下、クロロフェノール）の水熱酸化分解に対し高い触媒活性を示すことを発見した［5，6］。さらに、直近の研究成果では酸化銅（I）がより高活性であることを見出し［7］、本技術が有機塩素系汚染水の高度処理技術として有望であることを示してきた。本稿では、まず本研究用に新たに作製したフロー式水熱酸化反応装置について紹介する。その後、クロロフェノールの水熱酸化分解に対し、価数の異なる酸化銅の触媒活性を評価した結果について述べる。次いで、触媒の作用機構とクロロフェノールの分解速度、並びに水熱酸化の反応機構について検討した結果について論述する。