分析用試薬と校正物質: 機器分析用試薬と標準物質－NMR．ESR．質量分析－

摘要

通常は，試料を溶媒に溶かして測定を行う。 NMRはかなり普及しているためたいていの試要は薬品販売会社を通じて手に入れることができる。溶媒は通常，重水素化溶媒を用いる。~1H測定時に溶媒の~1Hシグナルが邪魔になっては困るからである。 重水素化率には98．0－99．996％の幅があるが，測定したい試料のシグナル強度が低いほど重水素化率を上げる必要があり，それに伴い溶媒の価格も上がる。重水素化溶媒を用いるもう一つの目的は，溶媒の~2Hシグナルで磁場のロックをかけるためである。実際に用いる溶媒は，ヘアセトン，アセトニトリル，ベンゼン，クロロホルム水，ジグロルメタソ，ジメチルホルムアミド，ジメチルスルホキシド，エタノール，メタノール，ヒリジンなどの完全重水素化物である。 溶媒の選択には溶解度が重要な要素となる。 取り扱う際にほ，空気中からの水の混入に注意しなければならない。水のシグナルが現れるのみならず，H／D交換反応によって重水素化溶媒に~1Hが入り込む可能性がある。 試零の瓶のふたは使用後すばやく閉めておく。 また，モレキュラーシープなどの脱水剤を入れておくのもよい。