新しい沖合浮魚漁業の導入とその考え方一新しい沖合浮魚漁業の導入

摘要

我が国周辺の沖合海域の浮魚類は主に大中型まき網，サンマ棒受網，いか釣りなどを中心とする中小型漁船によって漁獲されているが，近年，漁獲対象資源の変動や乱獲による資源の減少，豊漁時の魚価低迷などの諸要因により漁業経営は極端に悪化している．資源の変動や減少への対策としては，同じ基本装備で資源状態の良好な種を順次入れ替えて利用することが可能な漁法の導入が有効となる．資源管理の観点からも資源状態が低迷している種の漁獲を回避し，良好な種を漁獲することが望ましい．これを実現できる漁法としては，まき網や北欧では一般的な表中層トロールが考えられる．