土地改良施設の保全管理におけるGISの活用について一中濃地域農山村整備事務所の事例一

摘要

公共事業の目的は突き詰めれば，住民の基本的人権を守ることである。その中で食料の確保は，人間の生存にかかわるもっとも基本的かつ重要な目的である。 今，その重要な意義が公共事業への逆風の中で見失われているのではないかと感じる。 「食料、農業、農村基本計画（平成17年3月）」によれば，平成27年度の目標値として，日本全体で450万ヘクタールの農地が必要となっている。 しかし耕作放棄や農地転用により，平成15年度から平成16年度には2万1千ヘクタールもの農地が失われているのが現状である。 この面積は，ほぼ東京都の面積（2万1千2ヘクタール）に匹敵する。これは毎年のことであり，恐るべき現状である。