食品産業における電子利用技術の展開--ニューロ制御技術と電磁場等活用技術の開発と利用研究成果の概要②

摘要

日本の醸造醬油の特徴は、バランスのとれた味と芳醇な香り、そして清澄な赤紫色にある。その味、香り、色を引き出すには、優良な原料の選択のみならず、製造工程での注意深い管理が非常に重要である。 特に、醬油の製造に関わる主な3種類の微生物、すなわち麹菌、乳酸菌と酵母をうまく働かせかつ制御することが、醬油の品質向上に不可欠である。 一方、電磁場や電磁波あるいは超音波を利用した食品の殺菌や微生物の活性化あるいは抑制の研究が盛んに行われている。このようなエネルギー消費の少ない電磁場または超音波等の食品製造への応用は、地球の限られた資源の有効活用方法の一つとして、最近特に求められている。そこで本プロジェクトでは、麹菌への電磁場の効果や、酵母への通電の効果を中心に電磁場エネルギー活用技術の開発を行い、主に、下記に示す成果を得た。