米の加工利用（3) 坎飯米特性の理化学測定

摘要

わが国の米の食用利用の内訳は，家庭や業務用 途での炊飯米としての主食利用がその大部分を占 め，次いで，伝統的な清酒，味噌、醸造品製造の 原料米や和菓子，煎餅等に代表される米菓類，米 を原料としたパン，米麵などの米加工品製造での 原料米である。国内での米の消費量は，食生活の多様化や欧米化などのため年々減少し続け，1965年には国民 一人当たり1年間に111.7kgあつたのに対し， 2010年では59.5kgになった。このような状況の 中で，食料自給率向上の施策とも合わせて，新た な米の消費拡大策が必要となっている。水稲を品種別に見ると，作付而積は「コシヒカ リ」のおよそ38%が筆頭で，「コシヒカリ」系 で見ると，その割合は65%以上を占め，「コシヒ カリ」系品種の持つ品質特性が，市場において， 評価されている傾向がしばらく続いている(第1図)。