生物農薬を主体にじた施設野菜病害虫の防除技術

摘要

「食うもの一食われるものの関係」のような生物間の相互作用に着目して、害虫防除に捕食者、寄生者、病原微生物などの天敵生物を利用する試みは、古くから行われてきた。 典型的な事例として、侵入害虫に対する原産地天敵の導入による防除が挙げられる。こうした防除法は古典的な生物防除と呼ばれている。日本における古典的な生物防除の成功例としては、ミカン類の侵入害虫イセリヤカイガラムシに対するベダリアテントウ（捕食者）の導入（19世紀末）や、クリの侵入害虫クリタマバチに対するチエウゴクオナガコバチ（寄生者）の導入（1979、1981年）などが挙げられる。