切り花の日持ち保証を支える技術

摘要

日本の花き生産は戦後、「高品質、安定、周年生産」を綿の御旗として掲げ、超高品質な花きを国内に市場流通させるという構造をつくり上げることで発展を遂げた。 これを引きずって、切り花の品質尺度は、長さでありボリュームであるといった考えは、生産者の間で今も根強い。 一方、バブル経済の崩壊以降花きの消費は完全に停滞期に入るが、そのなかで仕事花から生活需要へのシフトが起こり、消費者が花に求める品質や価格は大きく様変わりした。今日、家庭別の切り花には、新鮮で日持ちがよいこと、納得価格で安心して購人できることが強く求められている。 当然高級品主体の生産物と家庭向け需要とのミスマッチが起こり、そこに輸入切り花が浸透する結果となった。 このような小、農林水産省は平成12年11日に、花き産業振興方針（平成22年の政策目標）を策定し、「生産規模の拡大、周年生産化、パケ、ソト低温流通の導入により、大量、低コスト、高鮮度な生産、流通システムを確立していくことが課題である」との方向性を示した。 加えて、同方針の平成17年度中間見直しでは、日本独自の個性豊かな花の供給を可能にすべく、花きの育種を奨励する方針が追記されている。