自然換気型細霧冷房温室の温湿度環境

摘要

温室の冷房方式としては，経済的観点からは，水の気化潜熱を利用する蒸発冷却法が最も汎用的とみられる．今までに，蒸発冷却法として，噴霧冷却方式（Yabuki，1964），細霧冷房方式（Mihara and Furumaki，1973），パッドアンドフアン方式（Nakagawa，1967；Mastalerz，1977），ウォーターカーテン式細霧冷房方式(Hayashiet al．，1986）などが提示あるいは試験されている．また，薫風ダクトやダクトクーラーの商品名の蒸発冷房システムが市販されている．しかし，冷房運転を必要とする期間が夏期の2カ月程度であり，多くの作物ではこの一時利用のための設備導入は過剰投資となること，装置の保守労力も必要であること，さら　に，室内の高湿度化，あるいは方式によっては作物の濡れなどが問題視されることもあり，導入は育苗施設などごく一部であった．