日本大学工学部キャンパスの除染と 放射性物質汚染土壌除染処理システム

摘要

2011年3月11日の東日本大震災で福島第一原子力発 電所の事故が発生し，放射性物質が空気中に拡散した. 放射性物質の中で，134Csと'37 Csは土壌，樹木，ァスファ ルト，コンクリートなどのさまざまな地表面に沈着し， その一部は雨などにより河川や下水に移動したものの，セシウムの結合力が強固なために，放射性セシゥムは依 然としてその"場"にとどまっている.その"場"から は放射性セシゥムの壊変で生じるガンマ線とベータ線が 放出されており，高い空間放射線量が持続しているため， 日常生活や健康の管理に大きな影響を及ぼしている.日本の自然放射線量は年間1.5 mSv程度であり，国際 放射線防護委員会（ICRP)は原子力事故収束後の追加 被曝線量の平常値を年間1ミリシ一ベルト（mSv)以下 としており，この値を環境中の空間放射線量で表すと毎 時0.23マイクロシーベルト（|iSv)になる.したがって， 安心で安全な環境の目安として，空間放射線量をこの値 以下にする必要があり，放射性物質の除染に対してさま ざまな方法が提案されている.