過去のお話？ダイォキシン問題 一ダイォキシン分解微生物の発見を目指して一

摘要

ダイォキシン類をはじめとする，いわゆる環境ホルモ ンと呼ばれた内分泌撹乱物質は，数年前までマスコミ、 社会を大いに賑わせ，その問題を解決するために多面的 な取り組みがなされてきた.中でもダイォキシンに関す る研究は一種の研究ブームとまでなった.しかし，環境化学物質に関する研究の難しさ（公定法によるpptォー ダ一での環境ィ匕学物質の分析は試料の前処理が煩雑で分 析費が高価なこと，誤差範囲が広いこと）から期待され たような科学的、社会的に認知される成果を得るには至らなかった.2000年1月に施行された「ダイォキシン類 対策特別措置法」により，発生源の改善策が進められた ため，産業廃棄物処理施設などからのダイォキシン類の 排出量は大幅に減少したが，これまでに排出されたダイ ォキシン類の多くは土壌や湖沼'港湾の底質に蓄積され， その蓄積量は減少していないり.