組織培養による木本性植物クローン苗木生産システムの構築

摘要

育種成果の早期普及を実現するためには，造林、園芸用などの用途を問わず，クローン増殖を機軸とする苗木の生産供給体制の構築を欠くことができない。 その内容は効率を求め，樹種や地域事情をも反映することから，技術開発の進展は留まることがない。 先進的な場面では，短期間に大量のクローン増殖を実現する組織培養と，集約的に高品質の苗木生産を可能にする成型苗木生産技術との両手法を統合したシステムが構築されている。 例えば，育種と高度な苗木生産システムの連携を早々に具現化したニュージーランドのラジアータパインの事例は，技術開発の目標であり，また憧れでもあった。