長崎全共を目指す各地の動向第4回宮城県

摘要

第10回全国和牛能力共進会長崎県大会（以下、長崎全共）まで半年となり、出品牛の申込の期日も迫って きた。そろそろ各地で本番に向けての動きが活発化し てくる頃だと思われる。主要各県の動向を取材してきた本連載、今回は長崎全共の5年後、第11回全共の開 催地に決定している宮城県の準備状況について、全農 宮城県本部畜産部の安部俊也次長に伺った。取材に伺ったのは4月10日、この日宮城総合家畜巿 場では全共第7区（総合評価群）の調査会が行われた (出品条件が同じため、3区、若雌2の調査も兼ねる）。 全国和牛登録協会本部から穴田勝人事務局長を招き、 一堂に会した36頭の候補牛は全て茂洋（しげひろ。平 成13年生、血統：茂勝-糸晴波-糸花）の産子。穴田 氏は「今までの宮城に比べて発育、体積、とくに体の 伸び深みに優れ、側望からのイメージを目に焼き付け られた」との総評を述べ（詳細は囲み参照）、前回の 鳥取全共から比して牛の改良が進んでいることを実感 された様子であった。「前回より確実に牛は良くなつ ている」、安部氏もそう明言するとおり「茂洋」が基 幹種雄牛として確かな地位を築いたこと、また平茂勝 系の血を含んだ母牛が増加したことなどで、宮城県の 牛たちはそれまで弱点とされていた後躯の形狀などの 改良が進んだ印象だ。