トランスフォーミング増殖因子1型受容体遺伝子多型と三元交雑豚（WLD)の枝肉形質との関連性について

摘要

トランスフォーミング増殖因子（TGFB)は， TGF-タスーパーファミリーに属するサイトカイン で，2種類のセリンスレオニンキナーゼ型受容体を 介してシグナルを伝達する。その作用は，細胞膜上 の受容体に結合することによって極めて多様に，細 胞増殖，分化，細胞の機能調節に関与する（Kim, 2001；Chang, 2002;宮園と宮澤，2011)。この受容 体の一つがトランスフォーミング増殖因子1型受容 体(TGFBR1)で，ヒトではTGFBR1遺伝子の変異 が血管系症状，骨格系所見に特徴づけられる疾患の ロイス、ディエツ症候群の原因遺伝子として報告さ れている（Loeysら，2005)。