肉牛の検量ミネラル栄養学の最新情報 -銅とンカンマ-

摘要

マンガンは性ホルモンの合成や黄体の機能に関わっており、分娩後の卵巣機能の回復にとって必要です。銅は結合線織や血管に多く存在するコラーゲンやエラステンに強度と弾力性を与える架橋反応を行う酵素に含まれており、分娩後の子宮の組織構造の回復にとって必要です。マンガンや銅は、胎児の器官形成においても必要で、とくに妊娠末期2カ月問は母牛から胎児への移行が増えるため、母牛のマンガンと銅の蓄積量は減少していき、分娩後に回復していきます（図5、図6）。すなわち分娩前後の母牛はマンガンと銅の不足状態にあります。マンガンや銅の不足は、分娩後の生殖器機能の回復を遅らせて繁殖成績に悪影響を及ぼします。