三極ほぼ同時承認の抗C型肝炎ウィルス薬第Ⅲ相試験が議論になるも8力月で迅速承認

摘要

本稿では、2011年9月に承認された抗C型肝炎ウイルス 薬「テラビック錠」を取り上げ、その承認審査の概要につ いて説明する。本薬の有効成分であるテラプレビルは、米Vertex Pharmaceuticals社で創製された抗ゥィルス薬であり、C 型肝炎ウィルス（HCV)の複製に関与するNS3-4Aセリ ンプロテアーゼを阻害することにより、HCVの增殖を抑 制する。日本での開発は田辺三菱製薬により行われた。本薬が承認申請されたのは2011年1月で、優先審査品目 に指定された後、申請からちようど8力月で7|く認された。 すこぶる短期間で審査が進められた品目の部類に入る。海 外でも、2011年5月に米国、同年9月に欧州で承認されて おり、結果的には三極でほぼ同時期の承認となった。蛇足 ながら、本品目の審査報告書は150ページ近くの超大作で あり、これまで筆者が担当執笔した品目の中で最長である。