15％タンパク質飼料を等栄養素量給与したニワトリヒナの成長および窒素利用性に及ぼす飼料中セルロース含量の影響

摘要

Siri et al．は，人工肛門を装着した成鶏に，10％タンパク質飼料を等タンパク質，等代謝エネルギー（ME）量強制給与したとき，タンパク質の真の消化率は飼料のセルロースが5％より20％のとき有意に低かったが，20％タンパク質飼料を同様の条件で強制給与した場合，そのような結果が得られないことを報告した．このことば，飼料のタンパク質消化率は，タンパク質摂取量が少ないときの方が飼料中セルロースの増加の影響を受けることを示唆している．一方，曹ら2）は，20％タンパク質飼料を通常のニワトリヒナに等栄養素量摂取させたとき，成長や窒素の蓄積率，見かけのタンパク質消化率および吸収窒素の蓄積率は飼料のセルロース含量が5％を超えると低下し，10％以上になると低下が顕著であることを観察し，飼料タンパク質の利用性にとって飼料中のセルロースレベルは1．5－3．5％までがより適当であることを示唆した．これらの報告から，飼料中セルロースのタンパク質の利用性に対する影響はニワトリヒナでも低タンパク質レベルの飼料を給与したとき大きいことが考えられる．本実験では，飼料のタンパク質含量を15％まで下げ，前報と同様の等栄養素量給与条件下で，ニワトリヒナの成長およびタンパク質の利用性に及ぼす飼料中セルロースの影響を調べた．