韓国における微生物資材認証制度の紹介－親環境有機農資材目録公示制を中心に－

摘要

農薬や化学肥料の利用は，病害虫防除，作物の収量増大，そして農産物の品質向上を通して，1970年代のグリーン革命による主穀自給や1980年代の白色革命と称えられる施設園芸の発展に大きく寄与してきた．しかし，残留農薬による土壌環境問題や肥料の過剰施用によるリン酸塩集積及び農耕地から地下水系への溶脱による水質汚染などが環境問題として注視されるようになり，農薬と化学肥料使用量を減らしながら総合的土壌管理（INM）や病害総合管理（IPM）のような先端農業技術を利用した農業環境を持続的に保全する「親環境農業」を推進する動きが起った．1997年，韓国政府は安全な農産物を生産すると共に，WTO体制に対応した農業の国際化へ能動的に対応する環境農業政策の推進を制度的に支えるための根拠法律として「親環境農業育成法」を制定した．親環境農業育成準では親環境農産物を5種（一般環境農産物　有機農産物，転換期有機農産物，無農薬農産物，低農薬農産物）で区分し，親環境農産物を表示するにほ農林部長官へ申告する必要があった．しかし2006年には，消費者の混乱を防止するため，親環境農産物の区分を3種（有機農産物，無農薬農産物，低農薬農産物）に簡略化し，認証機関の指定要件及び認証管理体制を強化した．