ダイズ子実の縮緬じわ発生に及ばす切葉，摘英処理の影響

摘要

北陸産ダイズは1，2等の上位等級比率が低迷し，しわ粒はその主な等級格下げ理由となっており，しわ粒の軽減は喫緊の課題となっている．ダイズ子実のしわ粒にほ，大別して，機械収穫、脱粒後の高水分子実を機械乾燥する過程でできるしわと立毛状態から発生するしわがあり，現在問題になっているしわは後者に分類される．後者のしわには種皮および子葉にギザギザができる縮緬じわ（写真1中央）と，種皮の一部が盛り上がる亀甲じわ（写真1右）の性質の異なる2種類があり，それぞれ発生機構は違うことが予想される．これまでに縮緬じわ粒発生に関する知見として，収穫期の断続的な降雨や夏の高温等の天候の影響に起因する可能性や，被覆尿素，あるいは石灰窒素の深層施肥により収量が向上し，縮緬じわ率が軽減すること，子実肥大期の葉色が濃く，窒素含有量が高い場合に縮緬じわ発生率が低下すること等が報告されている．