シンポジウム「気候変動と生気象」2100年東京の暑熱環境

摘要

2010年2013年に続き2015年も猛暑となり、東京では過去最長の8日連続の猛暑日を記録し、 消防庁発表の熱中症搬送者速報では、8月9日までに全国で45， 524人の熱中症による搬送者があり、過去 最多のペースで推移している。東京の1981年以降の「猛暑日（最高気温が35°C以上)」「真夏日（最高気温が30°C以上)」「熱帯夜（最低 気温が25°C以上）」の年間日数は、猛暑日は10年あたり1.7日、真夏日は6. 2日、熱帯夜は5.1日増加して いる。東京では真夏日は約60日出現しており、梅雨明けから9月上旬まではほとんどの日が真夏日になつ ている。また、熱帯夜も多い年では50日を超える出現があり、夜間も気温が下がらない状態が長く続き、 夜間の暑熱環境も厳しくなつている。本稿では、気候モデルによる将来の予測値を用いて、東京の2091-2100年の暑熱環境を推定し、あわせて、熱中症搬送者数を推定する。