スギ挿し木コンテナ苗と裸苗の植栽後2年間の地上部成長と根系発達

摘要

スギ挿し木コンテナ苗の植栽後2年間の地上部と地下部の成長を裸苗と比較した。植栽時のコンテナ苗の苗高と根量は裸ffi よりも小さかった。2生育期間の伸長成長量は苗種間で差はなく，結果として，コンテナ苗の苗高は裸苗よりも低いままであつ た。また，植栽後の根量の増加もコンテナ苗の方が少なく，コンテナ苗の優位性は確認できなかった。T/R比（地上部/根乾重 比）は両苗種とも植栽後に低下したことから，両苗種ともにプランティング'ショックによる水ストレスを受けたと^えられ た。ただし，コンテナ苗のT/R比は裸苗より早く増加したことから，コンテナ苗の方が水ストレスからのI 口 I復が早いと推察さ れた。本調査からは，コンテナ苗力《水ストレスから早く回復する利点を持つと推察された力、それは，裸苗の苗高を上回るほ どの伸長成長量にはつながらなかったこと力5'示された。現時点では，下刈り回数の省略に対して過度の期待を持ってコンテナ 苗を導入することは危険であると考えられた。