高知県宿毛市における厶クドリとギンムクドリの 異種間つがいによる繁殖事例

摘要

1.種名：ムクドリSturnus cineraceusおよびギンムクトリS. sericeus2. 観察者名：木村宏.平田幸.岡井義 明.佐藤重穂3. 観察日時.場所：2009年5月14日，15日， 18日，23日，26日，6月2日，3日，4日，5日， 6日，高知県宿毛市西町の民家の屋根にて繁殖行 動を観察（32 deg55'25"N, 132 deg 41'15"E,標高10m)， 6月8日，そこから約200m離れた農耕地にて巣 立ち雛の群れを観察した.4. 観察距離：20-100 m.主として8倍ないし 10倍の双眼鏡を使用.5. 観察した環境：宿毛湾の北側に広がる約 2km2の平野の一角であり，宅地と農耕地が混在 する.平野の東西方向に走る県道宿毛城辺線沿い に宅地が連なる.農耕地は水田と畑がそれぞれ5 割ずつを占め，水田の一部は休耕田であり，畑の作物はサツマィモゃ野菜類などである.繁殖行動を観察した民家は築後約20年の2階建ての和風 建築であり，屋根は瓦葺きである.この民家は数 年前から居住者がいない空き屋となっている.民 家の近傍の農耕地はおもに野菜畑や休耕田で，約 100 m離れた場所に常緑広葉樹を主体とする約 10haの二次林が存在する.この民家の2階の屋根 の隙間でムクドリとギンムクドリによる繁殖行動 があった.なお，同じ民家の屋根の隙間，および 戸袋1箇所ずつに，それぞれムクドリ同士のつが いによる巣があった.