夏季における幼児の1日の水分出納

摘要

熱中症を予防するには脱水を回避することが肝要であり、そのためには1日の水分摂取量や損 失量の実態を把握し、環境温度や活動量に応じた適切な水分摂取量を決定する必要がある。しか し、幼児の水分出納は成人と異なることが予想されるが、幼児の水分出納に関する報告は少ない。 そこで、本研究では幼児の1日の水分出納を夏季に調査し、先行研究との比較を行った。大阪と名古屋の幼稚園(各1園)に通う3-6歳(年齢4.8±0.7歳)の幼児24名(男:11名、女:13名、 体重17.3±2.7kg)を対象に、7月中の通常保育が行われた1日に調查を実施した。体重計測によ る水分出納は最小表示50gの体重計(UC-321;A&D社)を用い、登園後すぐに基本となる裸体体重 (BW1)を計測した後、1日の生活中に生じた全ての飲食前後おょぴ排便'排尿前後に着衣体重を 計測し、入浴前後および睡眠前後に裸体体重を計測した。さらに翌日の登園後に裸体体重(BW2) を計測し、調査終了とした。計測した体重の増減量を合計して1日の総摂取重量(SIN)と排便、 排尿による水分損失量(SU)、入浴時(Bath=入浴前体重一入浴後体重)および睡眠時(Sleep =就寝 前体重一起床後体重)の水分損失量を求めた。