ナラ類集団祐損被害の接着剤を利用した防除方法

摘要

1990年以降，日本海側を中心に発生しているナラ類の集団結親被賓は，ミズナラの枯死を中心として増加傾向にあり，終息の目処は立っていない。 これに対する，ナラ類集団枯損の防除法の研究は，斉藤ら（1999）が枯死木の樹幹下部にドリルで注入孔を多数あけ，ヤシマ産業製NCSくん蒸剤を注入することで樹幹内の大多数のカシノナガキクイムシ（以下カシナガ）を効果的に殺虫でき，Raffaelea quercivora （以下ナラ菌）の分散抑制を図る駆除技術を開発したこまた，小林ら（2001）は健全木にビニーナレシートを番付け樹幹部へのカシナガの算入を阻止する予防技術を開発した。 これらの防除法は，数年閏継続して実施する必要性を技術開発者は指摘してきたが，昨今の財政事情により，継続的な防除実施が困難となり，効果を明確に反映できない状況に陥っている。 そこで，作業が簡易かつ安全で効果的な防除法について建築用水溶性接着剤住友スリーエム製JA7562（以下接着剤）を利用した技術を開発したので報告する。