択伐林における更新補助作業が植生構造に与える影響北海道奥定山渓流域での解析

摘要

天然林は日本の森林面積の53．2％，北海道では65．5％を占める。 その多くは木樹生産に利用されてきたが，近年は公益的機能，生物種の保全や多様性の経持機能についても高く評価されるようになった。今後も多様な機能を発揮させつつ天然林を利用していくためには，人為攪乱による森林の機能や構造への影響を明らかにし，その管理に役立てていかなければならない。 本研究の目的は，択伐施業が行われてきた北海道中央部の天然林を用いて，更新促進のために行われた各種補助作業が植生構造に及ぼす影響を解明することである。