マツタケ子葉体サイズと遺伝的条件及び環境的条件の関係

摘要

マツダケ（Tricholoma matsutake）は市場価値が高く、中山間地域における重要な換金作物となっている。 子実体は地下に形成された菌根の集団（シロ）から発生し、アカマツ等の生きた樹木と共生しているため、菌床や培地による人工的な栽培法は解明されていない。このため、培養菌糸の林地への導入（人工接種）による子実体生産が試みられている。 市場価格の決定要因となる子実体のサイズは、環境的条件（気象条件、シロの深度等）に影響を受けるとされているが、腐生性きのこと同様に遣伝的条件が子実体のサイズ規定に影響するのであれば、人工接種に用いる系統の選択に際し、際本の形質を考慮する必要があると考えられる。 そこで本研究では、遺伝胞条件（ジェネット）と環境的条件（発生期の気温、降水量）について、子実体サイズとの関係を解析し、各条件が子葉件のサイズ規定に及ぼす影響について検討した。