チモシー（Phleum pratense L.）採草地の早刈り管理法3．早刈りしたチモシーシロクローバ（Trifolium repens L.）混播草地の2香草再生期間における葉面積と相対照度の垂直分布

摘要

棍釧地方の早刈りしたチモシー（TY，早生品種「ノサップ」）、シロクローバ（WC，品種「カリフォルニアラジノ」）混播草地で，WCの構成割合が高まり，TY茎数が減少する原因を明らかにするため，2番草再生期間中の群落内における光環境および葉群の垂直分布と生育との関係を調査した。刈取り処理として，早刈り区（1番草をTYの稔畢期に刈取り，その後の2番革の再生期間は42日間）と出穂期刈り区（同じく出穂期刈取り，再生期間62日間）とを設けた。 1番草刈取り15日後におけるTYとVVCの再生は．早刈り区と出穂期刈り区とで大きく異なった。 すなわち．出穂期刈り区に比べて早刈り区では，TYの再生が抑制されるとともに茎数も減少したのに対し，WCの再牡は促進し構成割合が著しく高かった。 刈取り15日後の草高は，早刈り区ではWCがTYを上回り，一方，出穂期刈り区では両草種とも同じであった。 また，早刈り区では，TYの葉群が分布していた層の相対照度が低かったため，TYはWCに遮光されることが多いと推察された。 　 2番草刈取り時においても．早刈り区は出穂期刈り区よりTY再生量か少なく，WC構成割合が高かった。 　 以上から，早刈りしたTY、WC混播草地でVVCの構成割合が高まりTY茎数の減少する重要な要因として．1番草刈取り後の両社初期の生育において，TYでは抑制されるのに対してWCでは促進されること．およびTYがWCに避光されることが考えられた。