RTK-GPSによるマニュアスプレツダの散布作業の走行軌跡について

摘要

慣行のマニュアスプレッダで高水分の生堆肥を圃場に散布する場合，散布量のばらつき が生じるつ。その原因は，堆肥の物理的性状やマニュアスプレッダの散布機構の他に，作 業速度や隣接行程の走行間隔などの作業精度の低下が考えられる。そこで，本報は堆肥散 布時のトラクタ運行に着目し，RTK-GPS測量システムを利用してその作業軌跡を計測し， 作業速度や走行間隔などの作業状態の変動を評価した。供試機は図1に示すように，トラクタけん引式の左側方散布型（A機）と横軸ビータ型 (B機）の2機種である。圃場内でのトラクタの走行軌跡を計測するために，測定精度が l-2cmのRTK-GPS (Nikon, logpak II)を利用した。図2は，GPSで計測したA機の走 行軌跡のデータの一例を示すが，図中の①-④行程は散布作業時の走行軌跡であり，他の 曲線は堆肥場に戻るためのトラクタの移動軌跡である。各行程の作業速度や各行程間の走行間隔は，Microsoft Excel 2007のVBAを利用し，最小二乗法で自動計算した。