農業土木技術者のための生き物調査（その5）－淡水産貝類調査法－

摘要

淡水産貝類はその生活環によって，純淡水産貝類，回遊性淡水産貝類，周縁性淡水産貝類の3つのグループに大別される。 カワニナやイシガイ類のように一生を淡水域で生活するグループが純淡水産貝類であり，イシマキガイのように浮遊幼生期を海で過ごすグループが回遊性淡水産貝類である。 カタヤマガイやオカモノアラガイのように陸産であるが水辺周辺に生息する種，あるいはカワザンショウガイヤヤマトシジミのように汽水産であるが一時的に淡水域に侵入して生活しているグループが周縁性淡水産月類である。 溜池や水田，用水路などでみられる種は，当然ながら純淡水産貝類と水辺にいる周縁性淡水産貝類に属している。 分類学的には，巻貝（腹足綱）と二枚貝（二枚貝綱）に大別される。