新農業基本法の制定と農業農村の変遷に想う

摘要

旧農業基本法が段業の発展と農業従事者の地位の向上，すなわち「農業」そのものに焦点を絞ったものであったのに対し，新法の食料、農業、農村基本法は「農業」を持続的な発展の視点で捕らえるとともに、新たに「食料／多面的機能」と「農相」の二つの基本理念を明示した。 このことは，もはや農業政策の企画、立案、遂行が，農業部門の意思のみでほどうにもならない社会経済環境に立ち至ったことを反映している。