施肥による地下水汚染を軽減するセルリーのポット施肥法の開発

摘要

農業地帯において浅井戸などの水質を調べると硝酸性窒素が高く含まれる場合に遭遇する。このような地下水の硝酸性窒素汚染の面源は施肥に由来する場合が多い。長野県の諏訪湖においても富栄養化の原因の一つとして農地における施肥に由来する窒素が明らかにされている。 諏訪湖周辺にはセルリーなどの野菜畑や水田が位置しており、これらの農地から排出される窒素は出来るかぎり少なく抑える必要がある。 諏訪地方に限らず、全国至るところで、過剰施肥や非効率的な施肥を行うと農地から排出される窒素により、土壌の養分富化や地下水汚染が生じている。 このような事態に対しては、施肥の適正化を行うとともに従来型の肥培管理から環境保全型のそれに転換させる必要がある。 施肥においては投入量を削減することが環境負荷を軽減することになるが、施肥効率を向上させないで減肥だけ行うなら収量や品質を低下させてしまい実際的ではない。 作物の収量や品質を確保できる減肥方法としては施肥の効率を高める局所施肥法が有効である。