区画整理技術と農業近代化

摘要

耕地整理法施行後の区画整理の技術変化をたどり，以下の観点から技術展望を行った。 ①今日の圃場形態は，小規模分散錯園に対応し，耕地整理法時代に定着したが，ルーツは近世にあった。 ②昭和30年代以降の圃場整備技術は，近代化技術の到達点を示すが，一面で現況対応型，平坦地型であった。③土地所有の区画形状に対する制限性は両区画整理を不可避とするため，対応技術が必要である。 ④わが国農法は，明治期以降も変化せずに来たが，短期的な農地過剰のもとで問い直しが求められている。 ⑤今日，環境への配慮のほか多様な課題の解決が求められているが，これには時間条件を組み込んだ地域管理の観点から，技術を再構築していく必要がある。