樹幹熱伝導の計算手法に関する考察

摘要

森林は耕作地，草地などと比べ地上バイオマスが大きいことが特徴の1つである。 したがって，森林熱収支の特徴を考えるとき，バイオマスに単位時間当たりに貯えられる熱量（以下，バイオマス貯熱率）を熱収支項目の1つとして考慮する必要がある。 しかし，バイオマス貯勲率を評価するには次に示すような困難なステップを塔む必要があり，あまり多くの研究例がないのが現状である。 また，森林を含むさまざまな陸上生態系における熱収支や二酸化炭素フラックスの長期モニタリングが世界各地で行われているが，それらの研究でもバイオマス貯熱率が重要な評価項目の1つとして位置づけられている（BaIdocchi et al．，1996）。 将来的に一般の森林におけるバイオマス貯熱率を推定できるようにするため，モデルや手法の開発，データの蓄積などをおこなっていく必要がある。