経営計画、販売管理、財務分析が連動した農業経営意思決定支援システム

摘要

農業政策における担い手対策として，認定農業者や集落営農組織の育成が重要な課題となっている。 しかし，担い手対策の根幹には，本来，経営者や組織リーダーにおける経営管理能力の向上がなければならない。経営者が管理能力を向上させるための基礎的手段として，経営記録を記帳し，それを用いて経営計画を作成するとともに，実施後，その結果を評価、分析していくというマネジメントサイクルの実践がある∑特に，経営計画の策定は，そこでの管理活動の中核となるものである。しかし，実施しようとする事業の内容が複雑となり，経営改善に向けた投資も多額なものとなると，経営改善計画が経営の収支や財務内容にどのような影響を及ぼすのかを正確に把握することは困難となる。 また，農業経営の場合，施策の推進により経営収支は大きな影響を受けるが，そのことも収入予測を複雑なものとする。 そのため，経営管理手法としても，農業経営者の多様な局面に対応し得る実践的な方式を提供していくことが求められている。