食品廃棄物のコンポスト化および飼料化に関する研究

摘要

食品廃棄物の主な資源化技術としてコンポスト化およ び飼料化が挙げられ，コンポスト化の促進には好気性微 生物への酸素供給のために材料含水率の適正管理が重要 である。また食品廃棄物は，常在する乳酸菌等が生成する乳酸等の有機酸蓄積によりpHが4-5と低いため， コンポスト化反応が促進されるpH8-9の家畜ふんに 比べてコンポスト化が困難である。一方，飼料化においては安全性が第一に求められ，病原性微生物の死滅を目 的に短時間で乾燥させることが多いが，加熱による品質 劣化や乾燥への多大なエネルギー消費等が問題となって いる。そこで両反応の促進に寄与する含水率およびPHに着 目し，コンポスト化においては低pHによる反応停滞の 原因について検討し，さらに反応促進のための適正含水 率を分解率および材料物性から検討した。また含水率管 理という単純な物理的操作のみにより，好気的かつ低 pH状態を維持して発酵乾燥および乳酸発酵を促進し， 栄養成分の保持および安全性の確保が可能な酸性材料の 特性を活かした飼料化の可能性を探った。