環境制御機器の選定と利用に関する要点

摘要

人工光型植物工場は，変動しやすい太陽光に変 えて，安定的で自由に制御できる人工光源を利用 するものである。自然の恵みの太陽光を遮断して 人工光を利用する主な理由は，古在氏が詳述され ているように，光環境の安定化による計画生産 と，徹底した断熱，密閉によりエネルギーや資源 の利用効率の向上，さらに，立体的な栽培により 床面積当たりの生産量を飛躍的に増加することに ある。一方，人工光源の光強度に関する制約か ら，経済的な栽培適作物としての条件が生じ，レ タスなど比較的弱光条件でも生育し，栽培期間が 短く，栽培の回転を速くできることが望まれる。人工光型のこれらの特徴を十分発揮するために は，表1に示すように，人工光の照射条件に適合した温度，湿度ならびにCO_2濃度や培養液条件を適正に制御すること，立体的な栽培空間における 環境条件の均一化や，栽培作物の葉面におけるCO_2濃度や湿度（飽差）の改善のための局部的な空気の動きなどの工夫が求められる。