農地中間管理機構にみる政策策定過程の軋礫の構造

摘要

農地中間管理機構関連法案には、異例の巧の附帯決議がついた。そこには政府と与党の軋糠が透けて見える。附帯決議の3つのポイントから官邸主導体制の問題を浮き彫りにし、農地中間管理機構の今後を探る。農地中間管理機構(農地集積バンク)関連法案が平成お年K月5日に成立した。これは異例ともいえるほの附帯決議がついている。最大の論点は「人.農地プラン」の取り扱いについてである。議論の過程で農地中間管理機構は農地の貸付先の選定に際して「公平性、中立性」を保っため、「人、農地プラン」とは切り離したかたちでの運用が想定されていた。また、農林水産省は「人.農地プラン」の法制化をめざしていたが、これも頓挫していた。首相の下に設けられた規制改革会議主導で事態が進むかに思われたが、最終局面で「うつちやり」を食らわされた格好となった。もちろん、地元レベルでの話し合いなくして農地中間管理機構は機能しないことは明白であり、「人.農地ブラン」との連携がなかったとしても地域で協議をおこなうための何らかの場を設ける必要があることはまちがいない。