戦後農地制度における所有権、賃借権の形成と「公共性」:「農地制度改革」の論点

摘要

「農地制度改革」は、耕作放棄地の増大、農業後継者の激減といつた問題に農地制度の改変によつて対応しょうというものである。これらの問題の出現が、改革の対象とされる農地制度そのものに起因するものか否かの吟味がまずは必要であり、それ以外の要因がどこにあるかの検討も含めて総合的な分析と対応がなされなければならないであろう。問題発生の要因を農地制度のみに見ようとすると、それは結局のところ農地制度解体へと行きつくしかない。