震災から立ち上がる東日本農業の復旧、復興に向けて:原発事故への対応と新たな日本への脱皮

摘要

3.11大震災から早くも1力年が過ぎた。とくに、この大震災時に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、原子力依存社会がもつ底知れぬ恐ろしさとその暴力性の一端を、私たちに突きつけた。事故がもたらす直接的、間接的な被害は、周辺に住む人々はもとより、広い範囲の地域社会と農林漁業、生態系に対するはかりしれない痛撃を与え続けており、今も多くの人々に苦悩を強いている。さらに、大気.海洋を通じて周辺地域のみならず地球全体にまで放射能汚染は拡大し、今なお収束の目途は立っていない。事故の全容ともたらされる事態-影響については、とれから数世代にもわたつて解明、検証しなければならない。