東大農場開場125周年記念シンポジウム－新しいフィールド農学を目指して－：〔1〕開会の辞と束大農場について

摘要

筆者らが通称で呼んでいる「東大農場」（東京大学大学院農学生命科学研究科附属農場）は，研究科、農学部がある文京区の弥生キャンパスから西へ約20kmの西東京市に位置して今や都会の田園として地域の方々に親しまれている多摩農場（東京ドーム約5個分に相当ずる約22ha）と，西南西へ約70kmの太平洋岸に面して風光明媚な神奈川県二宮町に位置する二宮果樹園（約4ha）とからなっている．ここでは，東京大学が大学院重点化される中で，1995年に農場内に生産、環境生物学専攻の協力講座が開設され，2000年度からは農学部附属農場から農学生命科学研究科附属に改組になり，所属も生国システム学専攻に変更した．現在，附属農場では教官，技術官，事務官が一体となって研究、実習教育，管理運営を行うと共に，所属する学生、大学院生の研究教育を指導する中で，世界的に増え続ける人口に見合う食糧生産、エネルギー等の確保と，その対極にある農業、地球環境や物質循環との調和、両立を図るためのフィールド農学研究に邁進している．