基肥、追肥を必要としないトマト栽培－トマト育苗鉢内全量施肥の背景，概要，および今後の展望－

摘要

静岡県におけるトマト栽培の農業産出額は48億円に上っている（平成16年）．しかし，輸入による価格低迷や農家高齢化等により，栽培生産環境は厳しいものとなってきている．トマト栽培は，生育初期の過繁茂が着果結実に大きく影響するといわれている．したがって，施肥は追肥に依存することが多い．抑制栽培では一般に基肥以外に4回以上追肥する必要があり，その度にマルチ資材等を土から剥がさねばならない．本圃への追肥が不要となれば，高い省力化と作業快適性が期待できる．