未来型軽労化農業技術確立のための基盤技術〔6〕－圃場分散を考慮した水稲作春作業計画支援システム－

摘要

わが国の土地利用型農業を代表ずる水稲作では，望ましい農業構造を構築し，次世代を担う意欲と能力のある農業経営体に農地を集積していくことが重要な課題になっている．そのため，さまさまな施策を通して，地域の担い手となる認定農業者や農業法人に農地の集中化を図ってきたが，問題点もいくつかある．その一つが圃場分散である．たとえば，大規模水田作経営体では，借地および作業受託圃場が分散していることが多いため，移動等に時間を要し作業効率の低下を招いている．また，中山間地域では，生産者の高齢化，過疎化等により耕作放棄水田が増加し，国土保全の観点からも地域の担い手への水田の集積が期待されているが，遠く離れた条件の悪い圃場を耕作しなければならない場合が多く，移動等に多大な時間を要して－いる事例が見られる．