日本農業の新たな担い手としてのフランチャイズ型農業経営の特色と意義－地縁型経営から空間ネットワーク型経営へ－

摘要

2005年農林業センサスの速報値によれば，わが国の農業経営体数は199．9万戸と始めて200万戸を切り，急激に日本農業の担い手の喪失が危惧されている．こうした状況下で，農政は農業法人，認定農業者，集落営農などを日本農業の新たな担い手として位置づけ，その積極的な育成のための政策を集中的に展開しようとしている．とくに認定農業者を中心とした専業的な農業経営体に対しては品目横断的な所得保障型の支援が，地域レベルでの農薬、化学肥料の低減努力に対しても一定の保障をするような政策の導入が予定されている．また，集落レベルでも集落農業の法人化による担い手づくりが進んでいる．こうした取り組みは，いずれも地域すなわち農村を単位とした地縁型農業経営の確立を支援しようと意図されたものである．