植生の多様性を利用したキャベツの有機栽培－障壁作物と被覆作物の間作による虫害軽減策－

摘要

近年，「食」の安全と安心を求める消費者こーズは大きく，野菜生産でも減農薬、滅化学肥料栽培への取り組みが広く全国各地で行われている．山梨県総合農業試験場においても環境保全型農業推進の一環として，露地野菜の有機栽培を試みてきたが，アブラナ科野菜の多くはチョウ目害虫やアナラムシによる被害が甚だしく安定生産が困難であった（赤池、窪田2002）．チョウ目害虫防除の一手段として利用されている被覆資材やBT剤は，コストや労力の面で現場の有機栽培生産者には負担が大きい．そのため，アブラナ科野菜の有機栽培では，これらと異なる手法によって可販収量を向上させる必要がある．