肉用牛経営の個別属性や経営意識が家畜排泄物の処理、利用に及ぼす影響

摘要

あが国の畜産は，輸入飼料に依存し，農地面積の拡大を伴わない規模拡大が進むにつれ，農家の経営啓で処理しきれない糞尿が蓄積されてきた．家畜よ紺巨泄された糞尿の一部は農地において野積みや素掘りといった不適切な処理が行われてきた．その結果，地下水の硝酸塩濃度の上昇，大気中のアンモニ教や亜酸化窒素の増大，河川の富栄養化などの環境開港が発生するようになった．そうした環境問題への意識の高まりのなか，1999年に「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」（家畜排泄物法）をはじめとするいわゆる環境三法が制定獣軋　 2004年に5年間の猶予期間を経て本格施行された．これによって不適切な家畜由来の排泄物の処理は大幅に減少したものの，この法制定の目的の一つである家畜排泄物の利用促進を含めた資源循環が十分に達成されているとほ言い難いのが現状である．