「壁」に直面する環境農業直接支払い施策 －ドイツ、バーデン．ヴュルテンペルク州のMEKAプログラムを例に－

摘要

近年のEU農業環境政策の手法ほ，①「適正な農業活動」（GAP）を明確に定義し，②GAPの履行を農業助成受給の条件とし（クロス、コンプライアンス），③GAPを越える環境負荷削減（もしくは環境便益供給）に対して環境農業直接支払いを支給する，という形に整理されてきている．我が国やアメリカ合衆国の農業環境政策もこの手法に収赦していく傾向が見られる．1992年に発足し，EUの農業環境プログラム（EU207即92）の一環として実施されてきたドイツ、バーデン＿ヴュルテンベルク州（以下，B-W州）のMEKA（Markt Entlastungs und Kulturlandschafts Ansgleich）プログラムは，環境農業直接支払い施策のパイオニアの一つと目されている．2000年にほこのプログラムを拡充したMEKAⅡが発足するなど，発展を見せてきたが，2003年からは新たな契約が停止されており，2007年から始まるMEKAⅢではいくつかの点で縮小、後退するのではないかと見られている．